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NASを新調する

ずっと使っていたNASはSynologyのDS218Jで、2019年から稼働しています。HDDはWDのREDを入れて、RAID 1で使ってきました。現時点でも特に不具合を起こすことなく動いていて助かっています。

使用用途としては写真や動画のバックアップ、仕事でパスワードをかけてPDFファイルを見てもらえるようにする、TimeMachineでのバックアップをとる、といったものです。使用頻度が高かったわけではありませんが、TimeMachineは毎日のことで、むしろもっと上手に活用できるようになると良いのだろうなと思います。

そんなDS218Jですが、さすがに古くなってきましたし、動かなくなってしまう前に新しいものに変えたいなと思っていたところで、今度はUGREENからNASyncが発売されました。最近ではすっかり先行割引販売の方法となってしまったクラウドファンドで、海外ではすでに販売がされていたのですが、日本でも3月ごろから最大4割引で発売が開始されました。

当初は様子見でした。UGREENのNASの信頼性がよく分からなかったのと、機材を揃えるとそれなりの価格がするのと、必要な機能があるかが分からなかったためです。

特に分からなかったのはPDFファイルにパスワードをかけて、ダウンロードと印刷を負荷にして、リンクをつけて共有できるか、ということでした。これについてTwitter上のUGREENのアカウントに質問をすると、オンラインドキュメントというアプリを使えばできるよ、ということだったのと、ネット上にはまあまあ好評価な記事が並んでいたのとで、キャンペーンも終わりの頃でしたが、20%引きで購入をしました。

HDDはWDのRed Pro 16TBを2つ入れています。

まだ1週間ほどですが、感想は以下のようなところです。

1.導入

簡単です。DS 218Jも相当簡単でしたが、NASyncも簡単です。ただ、HDDのインストールはマニュアルに書かれていたものの、そこから先どうしたら良いかが何も手引きがありませんでした。ネットで検索すれば情報はすぐに見つかるし、公式のガイドもあるのですが、公式のガイドがネットにあるという情報すら製品には同梱されていませんでした。

https://nas.ugreen.jp/pages/quick-start-guide
公式サイトのガイド

この辺はどうなのかなと思いました。

2.接続

接続も簡単でした。上のガイドに沿って行えば、LANだけではなく、リモート接続もできるようになります。「コントロールパネル」の「ファイルサービス」からWebDAVを有効にすれば、ネットワーク上のNASyncをHDDのようにマウントできます。残念ながらMacでは同じネットワークにあれば自動でマウントしてくれるわけではないようですが。

それでもDS 218Jに比べると、はるかに早く、同じネットワークの中にあれば外付けHDDと同じとは言わないにしても、それに準じたスピードでファイルを読み込んでくれます。

ちなみに家のネットワークはWifi 6のメッシュWifiになっていて、NASyncはEthernetケーブルで壁のコンセント(確か1Gbpsだったはず)で接続をしています。

3.写真のバックアップ

最初のバックアップは手動で行いました。photoフォルダを作って、そこにこれまで写真と動画のバックアップに使っていたDS 218Jとは別の外付けSDDからファイルを移しました。それなりに時間がかかりましたが、それなりの早さで終わりました。その後は、「同期とバックアップ」でパソコン上にあるカメラのファイルをダウンロードするファイルとNASync上の先ほどのphotoフォルダを同期させれば、自動で同期を取ってくれます。

実際にうまく動いているようです。

この「同期とバックアップ」は私にとっては理想的で、同期を取るだけではなく、パソコン上のファイルを消してもNASync上のファイルは残しておいてくれます。そのため、容量の大きいRAW画像ファイルとRAW動画ファイルはパソコンから消すことができます。

さらに、DS 218Jでは、専用のFinderのプラグインでアップロードをしなければRAW画像ファイルにサムネイルが付かなかったのですが、NASyncは何もせずともサムネイルをつけてくれます。これは非常に助かりました(このプラグインがいつからか動かなくなって、バックアップをとるのが大変になっていたのです)。

さすがに動画ファイルフォーマットのN-RAWは読んではくれませんが、助かっています。

それから、同期の際にJPEGファイルとMP4ファイルを同期しない、といった設定もできます。16TBもあるので、それなりに容量はありますが、それでもRAW動画ファイルをバックアップしていれば、すぐに一杯になるのは目に見えています。どちらが大事かといえばRAWの方なので、そのような設定にしました。

ついでにLightroomで先のフォルダを追加してカタログを作ることもできます。できますが、現在、動作にだいぶ時間がかかっていて、実用的な速度で動くのかはまだ分かりません。

4.TimeMachine

TimeMachineの設定も簡単です。「共有フォルダ」の中にフォルダを作って、「コントロールパネル」の「ファイルサービス」にある「詳細設定」から「Bonjourサービスを有効にする」を選択、TimeMachineフォルダとして先ほどのフォルダを指定すれば、その他の設定も確認を求めて、追加してくれます。

初回バックアップは時間がかかりますし、これについてはDS 218Jよりも時間がかかったのではないかと思います。かなりヤキモキしました。それに加えて、ネットワークから外してしまったDS 218Jの方の設定が残っていたせいで、バックアップに失敗したというメッセージが出て、戸惑うという落とし穴にはまりましたが、無事に初回バックアップができました。

ちなみに、TimeMachineオプションで、頻度は1日に1回にしないといけないようです。これはNASync側の制約であるようです。

詳細はこちらに。

DS 218Jに比べてNASyncの劣る点は、外付けHDDが使えないところです。DS 218JにUSB接続でつけていてHDDがあって、まだ新しいものであったので、それを初期化して使いたかったのですが、NASyncは外付けHDD上のフォルダをTimeMachineフォルダとして指定することができないようでした。

これは改善して欲しいところです。せっかくHDDが余っているし、これができるとNASyncのHDDを写真、動画のサーバーとしてより活用できると思うからです。

5.PDFビューワー

問題はこれです。PDFファイルをダウンロード、印刷不可、閲覧にはパスワードが必要、リンクを生成し共有、ということが現状、NASyncではできませんでした。これは公式にも確認済みです。Twitter上のやりとりは僕の英語の問題もあって、自分の手元でオンラインで、パスワードをかけ、ダウンロード、印刷不可にできるということでした。それは誰の役に立つのだろうと思いますが、これはがっかりしました。

Twitter上でこれを尋ねたところ、さっそく技術者に要望を伝えてくれたようで、そのあたりの迅速さはありがたいところです。SynologyのPDF viewerが良いのだということを伝えておきました。

ちなみに、PDF viewerがどのように良いかというと、先に挙げた点ができることに加えて、共有を開始する日時と終了する日時を設定できるところです。特段珍しい機能ではありませんが、不要な共有を避けるという点でありがたいものでした。

これのためにDS 218Jを復活させようかどうしようかと迷っています(別の手段もないわけではないのでどうにかなりますが)。

6.ネット上のレビュー

ネット上には割とNASyncに対して好意的なレビューが並んでいます。でも、上に挙げたように不満な点もあって、外付けHDDをTimeMachineで使えないとかSynologyのPDF viewerに相当するような機能がないとか、それ以外にもアプリが少なくてできることが少ないとか、足りない点は多々見られます。

また、まるで初めての家庭用のNASのように紹介されたりしていますが、すでに何年も前からSynology、Buffalo、IO Data、QNAPなどから便利な製品が販売されています。それらの存在に言及されずに、クラウドサーバーではなく家庭内サーバーという形で、注目に値する最初の製品のように紹介されることにはとても違和感がありました。

UGREENから何が提供されているのかな、と邪推もしたくなります。出ている情報も物足りないし、Synologyが勢いのあった頃には、細かく設定方法を紹介しているページもあったりしたけど、NASyncは通り一遍だし(機能が少ないのでそうなるのかも知れない)、ちょっとネット上のレビューへの不満が残りました。

便利なところもあって、写真のバックアップが容易であること、サムネイルが作られることはその代表です。これからアップデートされて、機能が追加されていくことを期待したいと思います。

ひとまずそんなところでしょうか。

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