エッセイ,  

庭の木

庭に木が植えられて数日が過ぎました。今日は1日曇り空で、仕事のない午後に窓辺に座っていると、涼しく優しい風が通り抜けていきました。木の葉のこすれる音がして、今は忘れてしまった遠い記憶の悲しみがそっと近づいてくるような気がしました。

カメラを構えて、ただ庭の木を映しました。映っているのは現実なのか、心象風景なのか。移ろう風の小人たちが、何も言わずに庭を通りすぎていきました。

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